英首相、EU離脱案堅持なら議会可決困難となる可能性=保守党議員

英首相、EU離脱案堅持なら議会可決困難となる可能性=保守党議員
 8月19日、英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、離脱派議員のグループを率いるジェイコブ・リースモグ議員(写真)は英紙サンデータイムズに掲載されたインタビューで、メイ首相が離脱案を修正しなければ、EUとの合意を離脱日までに英議会で可決することは難しい可能性があるとの考えを示した。写真はロンドンで7月撮影(2018年 ロイター/Simon Dawson)
[ロンドン 19日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、離脱派議員のグループを率いるジェイコブ・リースモグ議員は19日付の英紙サンデータイムズに掲載されたインタビューで、メイ首相が離脱案を修正しなければ、EUとの合意を離脱日までに英議会で可決することは難しい可能性があるとの考えを示した。
リースモグ議員は保守党内の離脱派議員グループの代表を務め、メイ氏が7月上旬に首相の別荘「チェッカーズ」で開いた閣僚会議で合意を取り付けた離脱案に強く反発している。
リースモグ議員はインタビューで、チェッカーズ合意はEUへの「降伏」だとし、「メイ氏が同案を堅持するなら、下院の一部議員は反対票を投じるだろう」と述べた。
チェッカーズで合意した案では、工業製品や農産物に関してEUの自由貿易圏にとどまることを提案しているが、一部の離脱派議員はこれについて、英経済が部分的にEU規則の適用を受けることを意味すると反発している。
英政府とEUは10月18日の欧州理事会での合意を目指すが、外交筋はこの目標達成に懐疑的で、12月13─14日の欧州理事会にずれ込む可能性がある。
リースモグ議員は、合意が12月にずれ込めば、英議会はわずか3カ月で合意を承認しなければならず、「非常にリスクが高い」と指摘。そうなれば、政府は「離脱派が支持する内容の合意を提示する必要がある。さもなければ政府の想像以上に議会可決は困難になる」と述べた。
その上で、EUとカナダが2016年に結んだような自由貿易協定を一段と深化させた「カナダ・プラス」案なら離脱派も親EU派も受け入れ、議会で過半数の支持が集まる可能性があるとの見方を示した。

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