ECB当局者ら、インフレ鈍化を楽観視 緩和解除の方針維持

ECB当局者ら、インフレ鈍化を楽観視 緩和解除の方針維持
 5月14日、欧州中央銀行(ECB)当局者3人は14日、最近見られる物価の伸びの鈍化は一時的となる公算が大きいとして楽観的な見方を表明、中銀が引き続き金融緩和の解除に向かっていることが浮き彫りとなった。写真はビルロワドガロー仏中銀総裁。イタリア・バーリで昨年5月撮影(2018年 ロイター/Alessandro Bianchi)
[コペンハーゲン/パリ 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)当局者3人は14日、最近見られる物価の伸びの鈍化は一時的となる公算が大きいとして楽観的な見方を表明、中銀が引き続き金融緩和の解除に向かっていることが浮き彫りとなった。
理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は、利上げ開始時期についてECBが間もなく明確化する可能性があるとした上で、利上げ時期は量的緩和の終了後「数四半期」が予想されるとの考えを明らかにした。
総裁は、量的緩和の終了時期が9月なのか12月なのかということは「深い実存的な問いではない」と指摘。終了時期の決定が近付く中、ECBは金利に関する新たなガイダンスを採用すると述べた。
金利に関する現在のガイダンスは、量的緩和政策を終えても「相当の期間(well past)」は現行水準で据え置く、となっている。
総裁は「最初の利上げに関する限り、われわれはタイミングについて追加のガイダンスを示す可能性がある」と説明。「相当の期間(well past)」の意味については少なくとも数四半期であり、数年ではないとした。
ラウテンシュレーガー専務理事は、ユーロ圏経済の状況は依然としてECBの予想の範囲内で推移しており、個人的に楽観していると表明。「(景気の減速は)なおわれわれの想定内だ。これが一時的なものにすぎないかどうかを見極めるにはさらにデータが必要だ」と語った。
プラート専務理事は物価の伸びについて、4月に鈍化したものの「足元の原油先物価格に基づけば、インフレ率は今後数カ月間1.5%近辺で推移する公算が大きい」との見通しを示した。
4月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は、総合指数が前年同月比1.2%の伸びとなり、3月の1.3%から鈍化。食品・エネルギーを除くコア指数の伸びも同1.1%と、3月の1.3%から鈍化した。

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