JT、加熱式たばこで2つの新製品投入 20年にシェア40%目指す

JT、18年「プルーム・テック」は40億本目標 高温加熱も投入へ
 2月6日、JTは、加熱式たばこ「プルーム・テック」について、2018年は2億パック(40億本)の販売を目指すとした。18年末までに5億パック(100億本)に製造能力を引き上げる。写真は都内で1月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung Hoon)
[東京 6日 ロイター] - JT<2914.T>は6日、加熱式たばこを含むリスク低減製品(RRP)市場で、2020年までに「高温加熱タイプ」と「プルーム・テックの進化版」の2つの新製品を投入する計画を明らかにした。「プルーム・テック」の拡販に2つの新製品を加え、20年末までにRRP市場で40%のシェアを獲得することを目指す。
<RRP市場、必ず勝たなければならない戦い>
RRP(Reduced Risk Products)とは、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品。寺畠正道社長は会見で「RRPを事業成長の基盤と位置付けて、より一層注力していく。国内たばこ、JTグループの持続的な成長に向けて、RRP市場での競争は必ず勝たなければならない戦い」と述べた。
こうした認識の下、「RRPをたばこ事業の成長の柱と位置付け、優先的な資源配分を実施していく」とし、18―20年の3年間でRRPに1000億円以上を投資する計画を明らかにした。JTは、2018年のRRPのたばこ市場に占めるシェアは23%程度になるとみている。
2020年末までにRRP市場で40%のシェアと目標を掲げたJTは、「高温加熱タイプ」と「プルーム・テックの進化版」という2つの新製品の投入を計画している。
加熱式たばこでは、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「アイコス」が先行している。アイコスは「高温加熱タイプ」。後発ながら、高温加熱に参入することについて、寺畠社長は「多様なニーズを満たしていく。18年末から19年頭にかけて、プルーム・テックの伸びや市場動向をみながら、新製品投入を実行したい」と述べた。このほか、プルーム・テックの進化版を開発していることも明らかにした。
「プルーム・テック」は、2月5日に横浜市や大阪市など6都市へ、4月中には神奈川県・千葉県・埼玉県・大阪府・福岡県全域などに拡販する予定。ただ、上期中としていた全国販売については、供給に万全を期すため、9月に後ずれさせる。
「プルーム・テック」の製造能力は、18年末までに5億パック(100億本)に引き上げ、2018年は2億パック(40億本)の販売を目指すとした。デバイスについては、17年末に累計100万台を突破したという。
<紙巻きたばこ市場は縮小加速>
加熱式たばこの急速な拡大もあり、紙巻たばこの販売数量減が続いている。JTの国内紙巻きたばこの販売数量は、2017年に929億本(前年比12.5%減)と、民営化以降初めて1000億本を割り込んだ。18年も同16%後半の大幅な減少を見込んでいる。
2018年12月期の連結営業利益(国際会計基準)は前年と同水準の5610億円になるとの見通しを発表した。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト18人の営業利益予測の平均値は6074億円となっている。
国内たばこにおいては、プルーム・テックの拡販効果が紙巻きの販売減少影響を一部カバーする。海外たばこ事業は、買収効果や新興市場での伸長により販売数量増を見込んでいる。
連結売上収益は同3.8%増の2兆2200億円の見通し。RRPが自社たばこ売上収益に占める割合は10%台半ばを見込んでいる。
*内容を追加しました。

清水律子

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab