写真が語る2017年:夕暮れを飛ぶスキーの美しさ

写真が語る2017年:夕暮れを飛ぶスキーの美しさ
 12月11日、ロイター写真部は、2017年の最も重大な場面を目撃してきた。写真は、フリースタイルスキーの美しさを捉えた1枚。スペインのシエラネバダで3月撮影(2018年 ロイター/Paul Hanna)
[11日 ロイター] - フリースタイルスキーの美しさを捉えた1枚。2017年を象徴する写真について、ロイター・カメラマンが撮影当時の様子を語る。
撮影したカメラマン:Paul Hanna
スポーツ写真の撮影は、忍耐とタイミング、そして位置決めが肝要だ。それに運も。競技を理解し、鍵となる動作の瞬間や感情を捉えるため、どのような位置から撮影するかを知ることは不可欠である。
ウインタースポーツの場合は通常、カメラ一式を積んだ重いリュックサックを背負って撮影場所までスキーをしなくてはならない。撮影場所からコースに滑り落ちないようにスパイク底の靴も必要だ。
フリースタイルスキーの美しさを捉えるコツは、夕暮れ時の選手を撮影することだ。彼らが空中で費やす時間は目を見張るものがある。
この写真は3月9日、太陽が稜線に沈んでいく時刻に撮影された。
エアリアルの選手と沈みゆく太陽を、同時に撮影するのは至難の業だ。この2つの要素を同じフレームに収められる絶好の撮影場所などないからだ。
電線がジャンプの視界を遮り、私がいた場所は低すぎて、非常に高く飛ぶジャンプを捉えることができなかった。だが、電線数本を支える小さな足場が私にとって最善の策となった。
誰にも反対されることなく、私はカメラ道具をかついでその足場に上り、ライトが消えるまで選手数人を撮影することができた。
片足を足場の枠に入れ、もう片方の足はそれを支えるために別の枠に固定した。決して最適な撮影ポジションではなかった。だが、それはほんの数分間のことだった。
時には、ジャンプ台の下から撮影を許され、雪が舞う夜空に星のごとく飛び立つ選手を真下から撮ることもあった。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab