ECB、不正会計疑惑浮上後もシュタインホフ債の保有継続

ECB、不正会計疑惑浮上後もシュタインホフ債の保有継続
 12月11日、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和の一環で購入した南アフリカの家具製造・販売大手シュタインホフの社債を、不正会計疑惑が浮上した先週半ば以降も保有し続けたことがECB統計で明らかになった。写真はECB。フランクフルトで2015年12月撮影(2017年 ロイター/Ralph Orlowski)
[フランクフルト 11日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が量的緩和の一環で購入した南アフリカの家具製造・販売大手シュタインホフの社債を、不正会計疑惑が浮上した先週半ば以降も保有し続けたことが11日公表のECB統計で明らかになった。
シュタインホフは先週6日、会計処理上の不正行為があったとして、マーカス・ヨーステ最高経営責任者(CEO)の辞任を発表。同社の株式と債券が売りを浴び、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは7日に同社の格付けを投機的等級(ジャンク級)の「B1」に4段階引き下げたと発表した。
ECBは今年の夏にシュタインホフの社債を買い入れており、11日に公表された保有社債のリストにも入っていた。保有額は開示されていないが、社債買い入れプログラムの1300億ユーロに上る保有額に占める割合は小さいとみられる。
欧州の政治家や専門家などは、社債買い入れはECBにとって財務と信用の両面においてリスクが高いとして批判的な見方を示してきた。
ECBは投資適格級の社債のみを買い入れることが認められているが、保有社債が投資不適格級に格下げされた場合に売却する義務はない。
ただ、シュタインホフの債務が株式化された場合、株式の保有は認められていないため、難しい対応を迫られる可能性もある。
ECBは同社が7月に発行した2025年償還債を保有。11日の債券市場で価格は小幅に反発したが、額面の47%の水準にとどまっている。

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