日銀金融政策、フィンテック企業の収益機会に影響=三井住友・谷崎氏

[東京 23日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループの谷崎勝教・取締役専務は22日、都内で開催されたロイター主催のフィンテック(金融と情報技術の融合分野)関連イベントで「日銀の金融政策がフィンテック企業の事業収益化(マネタイズ)に影響している」と指摘した。
谷崎氏は「経済が急成長している国では、フィンテック企業が、余剰資金をマーケットに出すだけでもうかる」とし、同席した日本銀行の山岡浩巳・決済機構局長に対して、「金融政策へのインプリケーションをお考えください」と発言。長期間の金融緩和による低金利が、フィンテック企業に影響を与えているとの見解を示した。
また、谷崎氏はフィンテックで、幅広い顧客に対するサービス基盤となるような「プラットフォームを作り上げ、最後の最後まで収益化にこだわっていきたい」と強調した。
具体的な事業の例として今年、海外の企業と合弁で設立した新会社によるパスワードの代替となる指紋や声で、本人確認する生体認証サービスの例を挙げた。
このようなフィンテックの基盤事業を「どうやって収益化していくか注力していく」とし、「単に新しい技術を使っただけでは何も得るものがない」と指摘した。
*内容を追加して再送します。

竹本能文、編集:田巻一彦

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