コラム:成績不振のヘッジファンド、ドル逆張り拡大の賭け
Jamie McGeever
[ロンドン 2日 ロイター] - 金融市場のボラティリティが極端に下がっているため、ヘッジファンドはなんとか儲けを捻出しようと外為市場で賭けに出ている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の先物建玉データによると、ドル相場が下落する中、同ファンドに代表される投機筋のドル売りは約5年ぶりの高水準に膨れ上がった。
米連邦準備理事会(FRB)による年内利上げ観測が高まり、ドルは足元で反発しているが、ヘッジファンドはさらにドル売りポジションを増やした。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、9月26日までの週に、主要6通貨に対するドルの売り越しは約45億ドル増えて210億ドル超と、2013年1月以来で最大となった。
ヘッジファンドは7月初めからドルの売り越しに転じ、以来、1週を除いてすべての週に売り越しが拡大した。しかしドル相場は、9月初週に2015年1月以来の最安値を付けた後、現在まで4週連続で上昇している。
ヘッジファンドはポンドについても、買い持ちを約2年ぶりの水準まで増やすという賭けに出ている。
はっきりしているのは、ヘッジファンドの今年の成績が悲惨なことだ。ヘッジファンド調査会社HFRによると、金利や通貨の方向性に賭けるマクロ系ファンドの1─8月のリターンは1%に届かなかった。
ファンドは年末が近づくとポジションを巻き戻す必要があるため、実質的に11月末までに目いっぱいリターンを引き上げておく必要がある。ドルとポンドの賭けが成功するのを願うのみだ。
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