タイは国内への投資誘致戦略を見直し、先端産業への構造転換を図る。同国の投資委員会(BOI)は、2015~21年の投資誘致戦略を策定した。件数重視で幅広く投資誘致を図る従来戦略から、付加価値や持続可能性を重視して経済構造の変化を加速させる投資案件を優先する新戦略に移行する。これにともなって投資企業が受ける恩典の対象や内容なども変更になる見通しだ。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。
BOIのウドム会長によると、戦略の変更はタイ経済の競争力の強化が目的。新戦略の重点分野は「農業」「鉱業」「軽工業」「金属製品・輸送機器」「電子・電気機器」「科学・プラスチック・製紙」「サービス・インフラ」の7つで、審査の際に高付加価値であるか、環境に配慮した持続可能なものであるかなどを重視する。
同会長は「これまでの幅広く投資を募る方法から、今後は対象を絞り込んでいく方法に転換する」と述べ、審査に関しては国の産業構造の転換への貢献度を重視していきたいとの考えを示した。新戦略は来年1月から適用される方向だ。