三井住友トラスト・ホールディングス(以下同社)とその子会社である三井住友信託銀行は、12日開催の取締役会において、三井住友信託銀行がタイに子会社として現地法人(銀行)を設立することを決議した。

同社と三井住友信託銀行は、5月16日付「タイにおける現地法人(銀行)設立認可取得について」にて公表のとおり、タイ財務省(Ministry of Finance)から現地法人(銀行)設立の認可を取得した旨、タイ中央銀行(Bank of Thailand)を通じて確認しているが、12日、上記認可に係る現地法人(銀行)を設立することを決議した。三井住友信託銀行は、引き続き、関係する当局からの認可取得に向けた手続き等を行い、2015年度中の銀行業務の開始に向けた準備を進めていくとしている。

タイは、日系企業にとって東南アジア最大規模の製造業拠点であると共に、メコン広域経済圏の中心としての重要性は年々高まっているという。また、創設が予定されているASEAN経済共同体の中での貿易・サービスの自由化を通じ、周辺諸国と一体となった更なる経済発展が見込まれている。

三井住友信託銀行は、1993年にバンコク駐在員事務所を開設して以来、タイにおける情報収集に努めてきたという。戦略エリアと位置づけているアジアにおいて、タイは、経済発展に伴い金融に対するニーズが拡大。アジアNo.1の信託銀行グループを目指す同社グループは、タイ当局が外国銀行に銀行免許を与えるこの機会を生かし、現地で成長する日系企業をはじめとした顧客の様々なニーズに応えしていきたいとしている。現地法人(銀行)を開業した後、ファイナンス業務や同社グループが培ってきた信託銀行ならではの良質な金融サービスを提供し、顧客とタイ経済の更なる発展に貢献していくという。

なお、タイ国内の政治情勢の変化と経済活動への影響に関しては、引き続き最大限の注意を払っていくとしている。

設立する現地法人(銀行)の概要

  • 商号:Sumitomo Mitsui Trust Bank(Thai) Public Company Limited、日本語表記:泰国三井住友信託銀行

  • 所在地:タイ王国 バンコク市内

  • 代表者:井上 学(予定)

  • 設立年月:2014年(平成26年)7月(予定)(2015年(平成27年)度中に開業予定)

  • 資本の額:200億バーツ(約630億円、1バーツ=3.15円で換算)(当初30万バーツ。開業時までに200億バーツに増資予定)

  • 株主構成:三井住友信託銀行95%、その他の関係株主15名5%(設立時)

  • 主な事業の内容:銀行業務の開始に向けた準備(開業時 銀行業)

  • 従業員数:約60名(開業時 予定)

  • 決算期:12月

同件が2015年3月期の同社および三井住友信託銀行の業績予想に与える影響はないとしている。