タイ軍事政権、選挙の早期実施に否定的

タイ軍事政権、選挙の早期実施に否定的
5月29日、タイの軍事政権は「自由で公正な選挙の実施」を望むとしながらも、まだ選挙を実施できる環境にはないとの認識を示した。バンコク市内で撮影(2014年 ロイター/Athit Perawongmetha)
[バンコク 29日 ロイター] - タイの軍事政権は29日、「自由で公正な選挙の実施」を望むとしながらも、まずタクシン派と反タクシン派の対立が解消されなければならないとし、まだ選挙を実施できる環境にはないとの認識を示した。
Chatchalerm Chalermsukh陸軍副参謀総長は会見で、プラユット陸軍司令官が議長を務める国家平和秩序評議会の意向は「自由で公正な選挙の実施」だと述べた。
選挙実施の具体的な条件は示さなかった。軍はタクシン政権誕生以来続く政治的対立が解消し、融和がはかられることを望んでいると述べた。
軍政にとっては、経済を回復させることも急務だ。29日発表された第1・四半期の国内総生産(GDP)はマイナス成長。デモ長期化の影響が鮮明となった。
軍政のトップ、プラユット司令官は29日、軍政が任命した顧問のチームとの初会合を開き、治安や経済立て直しのための戦略作りについて討議した。
観光担当の軍司令官は会見で、今年の海外からの訪問者数が目標の2800万人を下回り2600万人にとどまるとの見通しを示した。
首都バンコクでは、戒厳令下で集会が禁止されているにもかかわらず、軍のクーデターに反対する小規模な抗議活動は続いている。軍事政権は情報統制を強化。ソーシャルメディアの検閲強化に向け、数日中に政府関係者を日本やシンガポールに派遣し、LINEやフェイスブック、グーグルなどに協力を求める方針だ。

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