タイのインラック前首相が軍に出頭、司令官は選挙前に改革と強調

タイのインラック前首相が出頭、軍と会談へ
5月23日、タイのインラック前首相は首都バンコクの軍施設に出頭した。今月7日撮影(2014年 ロイター/Chaiwat Subprasom)
[バンコク 23日 ロイター] - タイのインラック前首相は23日、首都バンコクの軍施設に出頭した。ロイター記者が明らかにした。
前日にクーデターを宣言したプラユット陸軍総司令官は、インラック前首相に対し、出頭し会談に応じるよう要請していた。
司令官はこの日、選挙実施よりも改革を優先させる方針を明らかにし、多くの公務員に対し協力を呼びかけた。
兵士らはプラユット司令官がクーデターを宣言したと同時に、政府派と反政府派の政治家を拘束していた。これに対して国際社会から批判の声が相次いだ。
軍は、インラック氏と政治家や活動家を含む154人に対し、出国を禁じた。
プラユット司令官はまた、数百人の公務員を招集し、「この国に秩序をもたらすために協力してほしい」と呼びかけた。「選挙の前に経済、社会および政治の改革が必要だ。平和的な状況になれば、われわれは人々に全権を返す用意ができている」と述べた。
ロイター記者によると、インラック氏は軍施設に正午に到着。プラユット司令官はその場にいたが、面会したかは確認がとれていない。
プラユット氏を乗せた乗用車など9台がその場を離れた際に、インラック氏も同行したかは明らかではない。失脚した政権の閣僚の側近は、閣僚を含む複数人が拘束されたと述べた。
インラック氏の元側近は、同氏が数時間にわたり電話での連絡ができない状態だったと明らかにした。
軍は情報統制を強化し、バンコクの政府派と反政府派のデモ隊に退去を求め、夜間の外出禁止令を敷いている。
軍は全ての学校と大学の閉鎖を命じたが、首都バンコクは落ち着いた状態で、通常の活動が行われているように見られた。
ただ、複数の目撃証言やソーシャルメディアに掲載された写真によると、バンコクとチェンマイでは、小規模な学生の集団がクーデターを非難し、民主主義を支持するプラカードを掲げていた。
(内容を追加しました)

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