タイの政治的難局、長引けばクレジットネガティブ=フィッチ

[香港/ロンドン/シンガポール 8日] - (以下は格付け会社の声明)
フィッチ・レーティングスは、タイの政治的な行き詰まりが2014年下期を通して続けば、格付けにとってマイナスとなり、ソブリン格付けの見直しにつながる可能性が高くなるとみている。これは2014年3月に実施したタイの格付け審査で示したガイダンスの内容に沿っている。
3月の審査で取り上げたように、年央までにうまく機能する政権が誕生しなければ、中期的な資本投資、消費者信頼感、財政計画に大きな影響が及ぶことになる。内需は2014年に弱含む見通しで、2.5%とした実質国内総生産(GDP)成長率予想の根拠になっている。
政治的な不透明感が長引くことで、タイの長期的な成長率は同様にBBBのレンジで格付けが付されている他国をさらに下回ることになる可能性がある。
政治的なリスクは、7日の憲法裁判所の判断でインラック首相が失職し、8日には国家汚職追放委員会(NACC)がインラック氏の告発を決めたことで深刻化した。
7月20日予定の選挙の実施が遅れたり、中止されたりすれば、完全に機能する政権が年内には樹立されない可能性が高まる。
そうしたシナリオでは、タイの政治安定に対するリスクが高まると考えられる。

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