バンコクモーターショーで毎回トップを切ってプレスカンファレンスを開くのがBMWだ。それだけにその展開に注目が集まったが、今回のテーマは同社が3月7日に創立100周年を迎えたことにちなむ「THE NEXT 100YEARS」。次の世代へ向かうBMWのアプローチが披露された。
今回、会場に集まった報道陣にサプライズとして提供されたのが、1950年代に生産されたBMW『イセッタ300』に乗って、BMWタイランドのCEOであるマティアス・プファルツ氏が登場するというパフォーマンス。このクルマはイタリアのイソ・イセッタをBMWがライセンス生産した298ccエンジンを搭載する二人乗りの乗用車で、戦後、BMWが乗用車の販売台数を伸ばすきっかけとなった記念すべきクルマでもある。
イセッタ300から下りたマティアス氏はまず「BMWグループは100周年という記念すべき年に、タイ国内の“Car & Bike of the Year 2016”で19もの賞を獲得できた」と喜びの気持ちを表した。そして、「タイではフラッグシップモデルともなるBMW 730Ld Mスポーツを含む多くの車両をローカル生産している。なかでも環境への配慮は怠りなく、新しいBMW 330E Mスポーツはタイでもっとも低いCO2排出レベルを実現したプラグインハイブリッド車(PHV)。BMWは今後もPHVの投入に注力していく」と述べた。
挨拶の後は毎回注目されるBMWのパフォーマンス。今回は、BMWの100年を見せる映像を背景に、複数台数のティンパニーをたたくシーンからスタートした。昨年のような激しいダンスはなかったものの、男性ダンサーが体操?とも思える動きを見せる中、未来を予感させる個性的な衣装に身をまとったモデル達が会場いっぱいに練り歩く。手には折り紙風の鳥をモチーフにしたモニュメントを持ち、次の100年への橋渡しを意味するようなパフォーマンスを繰り広げた。
毎度のことながら時間はかなり遅れてのスタートとなったものの、特に慌てる様子もなくショーは淡々と進む。この辺りは南国特有の緩さなのか、会場周辺には大勢の報道陣が詰めかけて熱気に包まれていた。最後はいつものように主催者と記念写真を撮影してショーは終了した。