現地パートナーに恵まれタイで「鉄板焼き」浸透 ブルームダイニングサービス

★ブルームダイニングサービス・加藤弘康社長

2014.03.05


タイ・バンコクの鉄板焼き「花ちゃ花ちゃ」FC1号店【拡大】

 海外進出成功の最大のポイントは「ベストパートナー」に恵まれるかどうかにある。外食ベンチャーの「ブルームダイニングサービス」(愛知県名古屋市)が、2012年4月にタイ・バンコクに「鉄板炉端 花ちゃ花ちゃ」を開店、大繁盛させているのも、現地のパートナーに恵まれたからだ。

 社長の加藤弘康氏(36)は「バンコクに出店したのは、タイで服飾工場を経営していた日本のアパレル企業が人を介して、現地企業のトップをFC(フランチャイズ・チェーン)加盟店に推薦してきたからです。当社が店舗やメニュー作り、人材教育などを全面的に指導する形で開店に漕ぎ着けました」という。

 出店場所はチャオプラヤー川沿いの倉庫跡地を再開発して作られた観光客向け施設だ。ファッションや雑貨、土産物などの小売店が1500店舗、レストラン・飲食店などが約40店、他にシアターやキャバレーショーなどが楽しめる巨大ナイトマーケットである。

 「『花ちゃ…』は60坪で100席を超える大きさの店です。家賃だけでも日本円で100万円が相場でしたが、私たちのパートナーは非常に力があり30万円で借りてしまいました。日本式の鉄板・炉端焼き居酒屋を前面に打ち出し、店内で料理人が繰り広げるパフォーマンスなども人気となり、月商平均900万円の大繁盛店に。初期投資額を3〜4カ月で回収してしまいました」

 この勢いに乗って13年8月には「タイの京都」といわれる北部のチェンマイの大型商業施設にFC2号店を出店した。バンコクの1号店ほどではないが、日本式の鉄板焼き文化を広めている。

 加藤氏は名古屋の専門学校を出て26歳で居酒屋の味和居ダイニングに転職、大型店の店長、取締役を経て、29歳で味和居のFCとして「名古屋名物味噌とんちゃん屋 小田井ホルモン」(06年4月開業。80席)を開業、独立した。翌年、3店舗目に独自の鉄板・炉端焼き、いけす付きの「花ちゃ…」を開店した。

 試行錯誤しながら、11年に開発した「骨付鳥・からあげ・ハイボール がブリチキン」が大ヒット。以後、名古屋を中心にビル一棟借り(3〜4業態出店)、超一等地の狭小店舗(約10坪)、一等地の50〜60坪店舗などに出店。今年2月には東京に初進出、高円寺に「がブリ…」のFC店を開店した。現在、国内で8業態25店舗を展開している。

 加藤氏は「関わるすべての人、すべての街に幸せの花を咲かす」を経営理念に掲げ、飲食業にとどまらない発展を構想している。

 加藤氏はいう。

 「バンコクに出店した1号店の鉄板焼き『花ちゃ…』は、タイの雑誌の読者投票で、ベストオブ居酒屋に選ばれました。一方、2号店のチェンマイ店では現地のユニクロと並んで広告チラシを打ったりしています。海外では国内の知名度よりは実績が物を言います。日本から進出している外食大手とも互角に戦えるので面白いですね」

 海外での日本食ブームが定着し、特長を持った日本発の外食ベンチャーの評価がうなぎ上りに上がっている。加藤氏は今春、バンコクに主力の「がブリ…」を直営で開店する構えである。 (外食ジャーナリスト・中村芳平)

 

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!