アジア通貨動向(26日)=韓国ウォンと台湾ドルが上昇を主導、人民元は下げ取り戻す
[シンガポール 26日 ロイター] - アジア通貨は、韓国ウォンと台湾ドルが上昇を主導した。人民元は当初の下落分を取り戻す展開となったが、今後の見通しに対する不透明感から、投資家は慎重姿勢を崩していない。
人民元 は一時、中国人民銀行(中央銀行)が設定した対ドル基準値を2日連続で下回り、約7カ月ぶり安値を付けたが、その後に持ち直した。人民銀は基準値を元安水準に設定していた。
人民銀が連日、基準値を元安方向に設定し、元の下落を誘導。また国内の銀行も人民元の持ち高を減らしており、下げが加速した。最近の元安傾向は、人民元の変動許容幅を上下2%以上に拡大するための準備段階、との見方も出ている。
台湾ドル が上昇。輸出業者による月末の決済向け需要や、株式市場の上昇が背景。トレーダーによると、域外の金融機関が台湾ドルに売りを出し、上値が抑えられた。
韓国ウォン は人民元の動きに対する根強い懸念から、国内の取引が下落して始まった。トレーダーによると、人民元が下落分の一部を取り戻したため、韓国ウォンも持ち直した。ウォンにショートカバーが入ったという。
また月末の決済に絡み、国内の輸出業者がウォンに買いを入れた。
*0430GMT(日本時間午後1時30分)現在のアジア新興国通貨の対米ドル相場は以下の通り。
円 102.29
シンガポールドル 1.2639
台湾ドル 30.305
韓国ウォン 1068.30
タイバーツ 32.54
フィリピンペソ 44.60
インドネシアルピア 11625.00
インドルピー 61.97
マレーシアリンギ 3.2770
人民元 6.1282
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