タイのコメ農家が臨時官邸前で抗議、反政府デモ隊は首相府封鎖を警告

[バンコク 17日 ロイター] -タイの首都バンコクで17日、政府が買い取ったコメの代金支払いを求めるコメ農家が、インラック首相の臨時官邸の外に設置された有刺鉄線の柵とバリケードを乗り越え、首相が外に出て話し合いに応じない場合は建物に突入すると警告した。
デモを追うブルースカイ・テレビの映像によると、農家らは「インラック首相はコメ農家を無視した」と書かれた看板を掲げていた。
首相は1月以降、バンコク北部にある国防省の施設に設置された臨時の官邸で執務している。
コメ買い取り制度は政府が高値でコメを買い取るもので、インラック政権の看板政策として2011年に導入された。しかしその結果、タイ産のコメは国際市場で競争力を失い輸出が減少。政府は農家に支払う資金の手当てができず、支払いが数カ月滞るケースも出ている。バンコクではコメ農家数千人が代金支払いを求め、抗議を続けている。
これとは別に、バンコク中心部では17日、首相退陣を求める1万人を超えるデモ隊が首相府を包囲し、首相や閣僚の執務を妨害するため建物への入り口を封鎖すると警告した。
タイ警察は16日、反政府勢力による政府機関や道路の封鎖の解除に向け、反政府デモを主導する仏教僧ルアン・プー・ブッダ・イサラ師と協議したが、協議は不調に終わった。
デモ隊は17日、首相府入口を封鎖するため、コンクリート製の柵を移動させ、その上からセメントを注入した。
国家安全保障会議のパラドーン事務局長は、治安部隊と警察はデモ隊との衝突を避けるために建物内にとどまっているが、武力を行使する用意はしていないと明らかにした。

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