タイ中銀、政情不安で成長へのリスク大幅に高まったと認識=議事録
[バンコク 5日 ロイター] - タイ中銀は、1月22日の政策会合の議事録を公表した。議事録は、政情不安を背景に経済成長へのリスクが大幅に高まったと指摘、長期化した場合、影響は一段と大きくなる可能性があると警戒感を鮮明にした。
議事録は「成長への下方リスクが大幅に高まったという点で、委員会の意見は一致した。一部のメンバーは、世界経済の回復の動きを受けたタイの輸出や観光へのプラスの影響が、政局によって抑制される、と考えている」としている。そのうえで議事録は「政治的な混乱が長期化し、輸出受注が他の国に移ることにでもなれば、経済成長への影響はさらに甚大なものになり、影響は国内消費にも波及する」と指摘した。
タイ中銀は1月22日、4対3で、政策金利を2.25%に据え置くことを決定した。市場では、0.25%の利下げ予想が大勢だった。
据え置きに反対した3人の委員は、25ベーシスポイント(bp)の利下げに票を投じていた。議事録によると、この3人の委員は、経済へのリスクが高まっていると認識、民間の信頼感を押し上げ、経済を支援する上で、金融政策はもっと大きな役割を果たすべきだと主張した。
タイでは2日、総選挙が行われたが、反政府派の妨害により多くの地域で投票が中止される事態となった。混乱に収拾の兆しは見えない。
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