タイの国営銀行、政府のコメ補助金制度への融資を拒否

[バンコク 4日 ロイター] -タイ国営のクルンタイ銀行(KTB)は、市場価格を上回るコメ買い取り価格を保証する政府の補助金制度に対し融資を行わないと表明した。
KTBのVorapakTanyawong社長は4日、記者らに対し「補助金制度は法的な問題の一部が未解決となっており、現時点で参加する予定はない」「当行は不正には関わりたくない」と述べた。同じく政府が出資するTMB銀行や、民間のバンコク銀行とカシコーン銀行も同様の姿勢を見せており、制度の資金繰りは悪化している。
コメ補助金制度には不正の疑いがあるとみられている上、売れ残って国家の備蓄倉庫に積まれているコメに対する税金負担が増え続けることから、バンコク市内の反政府デモに油を注いでいる。
政府はコメ買い上げ費用として稲作農家に支払う1300億バーツ(39億5000万ドル)の調達に苦戦しており、一部農家には何カ月も支払いを待たされているところもある。
財務省は、1300億バーツの借り入れ計画の一部として200億バーツ(6億0700万ドル)のブリッジローンを組む予定だったが、銀行の要求した金利が高すぎるとして断念した。KTBとほかの大手銀はこのローンに参加していないという。

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