アジア通貨動向(15日)=人民元主導で上昇、GDP受けバーツ下落
(内容を追加しました。) [シンガポール 15日 ロイター] - 週明け15日のアジア通貨市場はおおむね 堅調。中国人民銀行がこの日の人民元の対ドル基準値を大幅な元高水準に設定したことで 切り下げリスクをめぐる懸念が和らいだことに加え、アジアの株式市場が反発しているこ とが背景。 ただ、タイバーツ は下落。この日発表された2015年第4・四半期の国内 総生産(GDP)伸び率が前期比0.8%に鈍化し、市場予想(0.9%)をわずかに下 回ったことが嫌気されている。 人民元 は1%超上昇し、年初来高値となる1ドル=6.4900元を付け た。これにつれて台湾ドル は約6週間ぶり高値をつけたほか、マレーシアリンギ も先週末の原油価格の大幅上昇を受けて上昇した。 財新によると、中国人民銀行の周小川総裁は週末のインタビューで、元相場の下落が 続く理由はないと述べ、中国は通貨バスケットに対する元の基本的な安定性を維持する一 方、米ドルに対してはより大きな変動を容認するとの姿勢を示した。 15日発表された中国の1月貿易統計は輸出・輸入ともに予想以上に減少した。 ただアナリストらは、アジア通貨市場は現時点で中国の貿易統計よりも、人民元基準 値の元高設定や週末の人民銀総裁発言が示す中国当局の安定化策に注目していると指摘す る。 台湾ドルは一時1.4%上昇し、1米ドル=33.052台湾ドルと1月6日以来の 高値を記録。1週間にわたった旧正月連休が明けて企業が営業を再開する中、外国金融機 関の需要にも支えられた。 市場筋によると、中銀による米ドル買い介入は確認されていないが、介入への警戒感 は続いている。 マレーシアリンギは薄商いの中、1%上昇。原油価格が持ち直したことでマレーシア 政府の原油・ガス収入をめぐる懸念が和らいだ。リンギはシンガポールドル に 対する需要にも支えられている。 0450GMT(日本時間午後1時50分)現在のアジア新興国通貨の対米ドル相場 は以下の通り。 *Previous dayは各通貨のオンショア市場引け値。ただし円とシンガポールドルは前 日NY市場引け値。 Currency Latest bid Previous day Pct Move Japan yen 113.84 113.27 -0.50 Sing dlr 1.3990 1.3974 -0.11 Taiwan dlr 33.052 33.520 +1.42 Korean won 1208.80 1211.70 +0.24 Baht 35.63 35.57 -0.17 Peso 47.53 47.51 -0.04 Rupiah 13410.00 13485.00 +0.56 Rupee 68.06 68.23 +0.25 Ringgit 4.1270 4.1700 +1.04 Yuan 6.4915 6.5755 +1.29 Change so far in 2016 Currency Latest bid End prev year Pct Move Japan yen 113.84 120.30 +5.67 Sing dlr 1.3990 1.4177 +1.34 Taiwan dlr 33.052 33.066 +0.04 Korean won 1208.80 1172.50 -3.00 Baht 35.63 36.00 +1.04 Peso 47.53 47.06 -0.99 Rupiah 13410.00 13785.00 +2.80 Rupee 68.06 66.15 -2.81 Ringgit 4.1270 4.2935 +4.03 Yuan 6.4915 6.4936 +0.03
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」