タイ軍が総選挙控え首都配備の兵士数を増加へ、治安監視強化

[バンコク 30日 ロイター] -タイ軍は30日、来月2日の総選挙を控え、首都バンコクに配備する兵士の数を増やすと明らかにした。政府は、反政府派が投票を妨害しようとすれば暴力を封じ込めることができない可能性があると警告している。
軍のウィンタイ報道官はロイターに対し、「暴力を扇動しようとする人々がいるため、治安監視支援のためバンコクおよび周辺に既に配備している兵士5000人に加え、抗議活動拠点の周辺で兵士を増やすだろう」と述べた。
報道官によると、総選挙当日には約1万人の警察官がバンコクの治安維持に当たり、兵士らは出動態勢を整えることになると付け加えた。
「人民民主改革委員会(PDRC)」のメンバーら反政府派は、インラック首相退陣を目指すキャンペーンの一環として、投票を妨害すると表明。既にバンコクの主要交差点や多くの省庁を封鎖しており、予定通り総選挙を実施するとした政府の決定と相まって首都の緊張は高まっている。
また、タイで自動車生産を手掛けるトヨタ自動車<7203.T>の豊田章男社長は記者団に対し、タイは「アジアのデトロイト」のような場所であり、多くのメーカーがタイから輸出していると指摘した上で、政情不安が早期に解決され、世界への影響が限定的になることを望んでいると述べた。

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