タイ陸軍司令官、クーデター否定せず

[バンコク 27日 ロイター] - タイのプラユット陸軍司令官は27日、反政府デモ隊と治安部隊が衝突するなど、政治的緊張が高まっていることに関し、危機解決に向け軍が介入する可能性を否定しなかった。
同司令官は会見で、クーデターの可能性について聞かれると、「扉を開きも閉ざしもしない」と述べた。軍はこれまで、クーデターの可能性を繰り返し強く否定してきた。
司令官は「何が起きてもおかしくない」とし、「状況次第だ。われわれは正しいことを、平和的な方法で行おうとしている。交渉を求めている」と述べた。
インラック政権は2月2日に総選挙を実施すると発表しているが、反政府派はこれを拒否。前日に立候補受け付けを阻止しようとした反政府デモ隊と治安部隊が衝突したことを受け、選挙管理委員会はすべての勢力が総選挙に合意するまで選挙を延期すべきだと政府に勧告している。選挙が行われた場合、与党・タイ貢献党の勝利がほぼ確実視されている。
タイでは過去81年の間に発生したクーデターは、未成立のものも含めて18回にも上る。ここ数週間でクーデターのうわさが飛び交うようになっている。軍と関係がある3人の関係筋は最近ロイターに対し、プラユット司令官の前任者のうち二人が反政府デモへの支持を表明していると明らかにしている。
選挙委員会はこの日、選挙をめぐる手詰まり状態を打開するため、政府とデモ隊に話し合いを求めると表明した。ソムチャイ委員は記者団に対し、新年になる前に解決策をみいだすと想定していると述べた。
スラポン副首相はこの日、軍に対し、選挙の候補者と投票に来る人々の安全を確保するよう要請したが、公式な返答はまだ得ていない。
反政府派は総選挙の代わりに、「タクシン体制」の影響を排除した「人民会議」を設置し、改革を進めるべきだと主張している。

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