タイのインラック前首相は１２日、首都バンコクの自宅で外国メディアと会見し、プラユット暫定政権が来年夏にも実施したいとしている総選挙について、兄のタクシン元首相のメッセージを引用する形で「どの国も行っていることだ。早く正常な状態に戻ってほしい」と述べ、早期実施を求めた。

　インラック氏は２０１４年５月、当時陸軍司令官だったプラユット氏が主導するクーデターで権力を失った。現在は、在任中に実施したコメ買い上げ制度をめぐり、国に損害を与えたとして職務怠慢の罪に問われ公判中。出国には最高裁の許可が必要で、これまで日本や欧州への訪問などが却下されている。

　自身の政界復帰の意思についてインラック氏は「将来のことは分からない。人々が決めることだ」と直接的な回答を避けた。起草作業が進む新憲法については「国民が中心であるべきだ」と述べ、民主主義の原則を維持すべきだとの考えを示した。

　自宅の庭にある菜園を紹介するという名目で外国メディアを招待し、記者の質問にも答えた。（バンコク共同）