アジア通貨動向(20日)=バーツとルピア主導で下落、米FRB議長発言は支援にならず
[シンガポール 20日 ロイター] - 20日のアジア通貨市場ではタイバーツとインドネシアルピアが下げを主導。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が緩和政策を維持するとあらためて表明したほか、中国が人民元の変動幅を緩やかに拡大していく方針を示したにもかかわらず、下落している。
バーツ は政情不安から海外ファンドの売りに押されている。タクシン派与党が推進する上院議員の選出方法変更について憲法裁判所はこの日、合憲か違憲かを判断する予定。
ルピア は月末を控えた企業のドル需要を背景に下落している。
大方の通貨は、バーナンキ議長の発言後、下げに転じるか上昇幅を縮小した。
OCBC銀行(シンガポール)の外国為替ストラテジスト、Emmanuel Ng氏は「市場には警戒ムードがある。FRBの量的緩和縮小が結果的にドルの支援材料になるとの見方が広がっている」と指摘した。
一部の投資家は依然として早期の緩和縮小の可能性を完全に排除しておらず、FRB次期議長に指名されたイエレン副議長らFRB当局者の最近のハト派的な発言はそれほどアジア通貨の支援材料になっていない。
バーツは一時0.3%下落し、1ドル=31.66バーツと11月11日以来の安値をつけた。
ルピアも下落。ジャカルタ銀行間スポットドルレート(JISDOR) は1万1631ルピア。前営業日は1万1609ルピアだった。
0457GMT(日本時間午後1時57分)現在のアジア新興国通貨の対米ドル相場は以下の通り。
円 99.98
シンガポールドル 1.2436
台湾ドル 29.490
韓国ウォン 1057.00
タイバーツ 31.62
フィリピンペソ 43.56
インドネシアルピア 11618.00 インドルピー 62.42
マレーシアリンギ 3.1820
人民元 6.0922
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」