アジア通貨動向(14日)=ショートカバーで上昇、イエレン氏証言原稿受け

[シンガポール 14日 ロイター] - アジア通貨市場は総じて上昇している。イエレン米連邦準備理事会(FRB)副議長の議会公聴会向け証言原稿の内容が明らかになり、資金流出懸念が後退したことが背景。
韓国ウォン やマレーシアリンギ を中心にショートカバーで上昇した。インドネシアルピア は輸出業者の買いに支えられている。
アジア株も前日の6週間ぶりの安値から反発している。次期FRB議長に指名されているイエレン氏は、経済を下支えするため、FRBにはまだなすべきことがあるとの見解を示した。市場では、債券買い入れ縮小開始を急がないことを示唆したと受け止められている。
ただきょうの公聴会開催を前に、市場の警戒感は依然として強い。
韓国ウォンはストップロスのドル売りで上昇。ただ、輸入業者のドル需要で上値は限定されている。
株式市場では海外勢の売り越しが9営業日連続となる公算が大きい。
市場では、1米ドル=1060ウォンを上回るウォン高局面での為替介入が警戒されている。
中銀による金利据え置き決定は事前の予想通りで、反応はみられない。
マレーシアリンギはショートカバーで上昇。オーバーナイトの取引では、対米ドルの1カ物ノンデリバラブル・フォワード が上昇した。
ただきょうのイエレン氏公聴会を控え、上値追いをためらう動きもみられる。
あるトレーダーは、同氏が量的緩和に積極的ならドルはさらに軟化し、そうでなければ1ドル=3.18リンギ付近でドルロングが試される、との見方を示した。
インドネシアルピアは、輸出業者の決済需要とポジション調整で上昇している。
ただ、FRBの政策をめぐる警戒感は根強く、一部の国債利回りの上昇が続いていることで上値は限定的。市場では、イエレン氏の公聴会次第だが、ドル/ルピアの一段の下落は考えにくいとの声が聞かれた。取引レンジは1ドル=1万1500─1万1700ルピアとみられている。
0425GMT(日本時間午後1時25分)現在のアジア新興国通貨の対米ドル相場は以下の通り。
円          99.64
シンガポールドル   1.2456
台湾ドル       29.556
韓国ウォン     1067.20
タイバーツ      31.48
フィリピンペソ    43.57
インドネシアルピア 11545.00
インドルピー     63.03
マレーシアリンギ   3.1960
人民元        6.0920

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