アジア通貨動向(31日)=大半が下落、米FOMC声明でやや失望

[シンガポール 31日 ロイター] - 31日のアジア通貨市場では、大半の通貨
が下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文が市場の一部が期待していたほどハ
ト派的ではなかったことから、今月上昇していた通貨に利食い売りが出た。
    トレーダーらは、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和策を維持するという期待が
すでに織り込まれているため、アジア通貨が11月にさらに上昇する可能性は低いとみて
いる。

    東部証券(ソウル)の通貨・債券アナリスト、Yuna Park氏は「アジア通貨は上昇の
勢いを失う可能性がある。FRBの政策は織り込んだが、米経済の回復見通しは織り込ま
れていない」とした。
    アジア通貨は月間で上昇。上昇率は、マレーシアリンギが3.2%高、インドネシア
ルピアが2.6%上昇となっている。
    
    31日の取引でルピア は、国債利回りの上昇や弱い国内株式を受けて値を
下げた。月末のドル需要も圧迫要因となった。
    フィリピンペソ は0.4%安の1ドル=43.29ペソと、10月10
日以来の安値をつけた。翌1日の休日を前に、投機筋がドルのショートカバーに動いた。
    一方、韓国ウォンは小幅上昇。米財務省は30日発表の為替報告書で、韓国は「特別
な場合」を除き、為替介入を控えるべきだと主張した。輸出業者の月末需要も押し上げ要
因となった。
    モルガン・スタンレーは顧客へのノートで、「リーマンショック後の安値となる1ド
ル=1048ウォンを最終的につけた後に、1000ウォンに向かう動きとなると予想し
ている」とした。
    トレーダーによると、金融当局がドル買いの介入を行ったという観測から、ウォンの
上値は限定的となった。
    
    *0440GMT(日本時間午後1時40分)現在のアジア新興国通貨の対米ドル相
場は以下の通り。
    
    円           98.41
    シンガポールドル   1.2390
    台湾ドル       29.375
    韓国ウォン     1059.55
    タイバーツ       31.08
    フィリピンペソ     43.27
    インドネシアルピア 11280.00
    インドルピー      61.35
    マレーシアリンギ   3.1565
    人民元        6.0950

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