カナダの電力事業者であるTransCanadaは10月、カナディアン・ソーラーの子会社から、二つのメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業を取得したと発表した。両社は2011年に、カナディアン・ソーラーが建設する9サイトの太陽光発電事業を、TransCanadaが買い取ることで合意しており、今回もその一環である。

 こうした、太陽光発電所の建設後に発電事業そのものを売却する手法が、海外のメガソーラープロジェクトでは使われており、発電事業者にとっては、売電が始まるまで自己資金の負担を抑えられる利点がある。発電プロジェクトを組成する企業も、早期に投資を回収できる。今後、日本でもこうした手法を活用したメガソーラー事業の組成が増える可能性がある。

 九つの太陽光発電所の合計最大出力は86MWで、TransCanadaはこの取得に合計で約4万7000万カナダ・ドルを投じる。今回取得したメガソーラーは、いずれもオンタリオ州に建設されたBrockville 2とBurritts。カナディアン・ソーラーの発表によると、両者の合計最大出力は16MW、取得金額は約9500万カナダ・ドルで、9月末に譲渡が完了した。

 Brockville 2はオンタリオ州の東部にあるブロックビルに建設され、最大出力は9MW、Burrittsも同州の東部にある首都のオタワに建設され、最大出力は7MW。両社の合意に基づいてTransCanadaが取得した太陽光発電所として、6月末に取得したBrockville 1に続くものである。残りの六つの太陽光発電所については、2014年中に売電事業を開始する予定とする。