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環境ニュース[国内]

住友電工、室温で動作する溶融塩電解液電池を開発、サイクル寿命を大幅改善

エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2013.10.04 【情報源】企業/2013.10.01 発表

 住友電気工業は、室温を含む広い温度領域で動作するとともに、サイクル寿命を大幅に改善した溶融塩電解液電池の開発に成功した。電解液に難燃性の溶融塩(イオン液体)を使用した二次電池で、資源量が豊富で比較的高いエネルギー密度が期待できるナトリウム酸化物を正極に使う。2015年の製品化に向けて京都大学と取り組んできた。
 融点がより低温で電解液に適した溶融塩を採用した結果、20〜90℃で動作可能になった。一般的なリチウムイオン電池の−5〜40℃、電池の0〜40℃と比べ、動作する温度領域が広く、特に高温域で高い。そのため排熱スペースが不要になって小型化できるうえ、空調などで冷却する必要がなく、システムのエネルギー効率向上が期待できる。
 溶融塩を含む電池材料は難燃性があり、火災や機器異常の際の安全性にも優れる。採用した溶融塩は化学的に安定していて、充放電を繰り返した際の劣化が小さく、他の電池と比べてサイクル寿命が長くなる。さらに、一般的な電池は充電状態で保管した場合、自己放電によって容量が低下するが、開発した電池は自己放電がほとんどない。
 住友電工は、京都大学エネルギー科学研究科と共同で2011年に57℃の低融点の溶融塩を開発し、他の二次電池と比べて動作温度領域が57〜190℃と広い溶融塩電解液電池の開発に成功した。その後、信頼性、安全性の評価や生産技術の開発を共同で行い、より低温で動作する溶融塩を探したり電池の改良を進め、今回新しい電池を開発した。【住友電気工業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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