2014.10.28 08:54
タイは今年、コメ輸出量で世界首位の座を奪還する見通しが強まっている。同国のコメ輸出業者協会によると、今年1~8月の輸出量は前年同期比59%増の660万トン。米国に本拠を置く調査会社IHSは、今年のタイのコメ輸出量が2004年に記録した過去最高の1014万トンに迫る1000万トンとなり、天候不順のインド(840万トン)やベトナム(660万トン)を抑えて世界一になると予想した。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。
タイは、11年に世界首位だったものの、同年に当時のインラック政権が農家の生活支援を目的にコメ買い取り制度を開始。政府が農家からコメを市場価格の最大5割増しとなる高値で買い取る同制度によって価格が急騰したタイ産米の輸出が急減し、12年、13年とインドに世界一の座を奪われた。
この間に同国のコメの在庫は1800万トンにまで積み上がり、今年5月に政変で全権を握った軍主導の国家平和秩序評議会は同制度を廃止し、在庫の輸出を急ぐ方針を固めた。8月に発足したプラユット暫定内閣は、3年以内に全ての在庫を輸出するとし、中国やインドネシアなどへの政府間の取り決めによる輸出を増加させている。