首都大がバンコクで同窓会 留学生ら41人参加 「無駄遣い」と都議指摘

 留学生を首都大学東京に受け入れる都の「アジア人材育成基金」事業にからみ、同大の教職員や元留学生ら計41人が今年8月、タイ・バンコクで6日間の同窓会旅行をしていたことが30日、分かった。元留学生らの航空券代や教職員の日当など、計約408万円を都が負担していた。

 同日の都議会総務委員会で音喜多駿議員(おときた・かがやけ)の質問に担当部長が答えた。音喜多氏は「なぜバンコクなのか。税金の無駄遣いだ」と指摘している。

 答弁などによると、旅行は8月27日~9月1日の日程で、中国やフィリピンの元留学生20人▽学長・副学長を含む首都大教職員15人▽タイ側関係者6人-の計41人が参加した。

 ホテルで同窓会を開いたほか、現地の国立大などを視察。30日にはバンコク市内で直前に起きた爆弾テロの影響で参加行事が延期されたため、職員ら数人が世界遺産のアユタヤ遺跡を観光していたという。

 経費のうち教職員の航空券代や日当は約191万円と約半数を占める。音喜多氏は「東京で開いていれば、こうした経費はかからなかった」と指摘。爆弾テロの直後とあり、「危機管理の面から見ても、バンコクでの開催は合理性がない」としている。

 これに対し、都は「母国に帰った留学生も多く、交通アクセスのいいバンコクが集まりやすかった」などと説明。テロについては「1週間がたち、さらなる事件がないことなどから総合的に判断した」などと述べた。

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