バーツ高抑制措置、現時点で必要なし=タイ財務相

[バンコク 26日 ロイター] タイのキティラット副首相兼財務相は26日、為替について、バーツが今週下落していることから、通貨高を抑制する措置は今のところ必要ないとの考えを示した。
中央銀行のプラサーン総裁等との通貨高に関する会合後、記者団に語った。
キティラット財務相は同時に、中銀の利下げがなければ何らかの行動が必要になる可能性に言及した。
会合では、バーツが1ドル=29バーツを突破し、バーツ高ドル安が進めば、輸出や経済成長に悪影響が生じるいう意見で一致したと財務相は語った。
26日終盤の取引では1ドル=29.36/41バーツで推移した。
キティラット財務相は、「中銀からは措置を準備しているとの報告があったが、今週はバーツが下落したのでそのような措置をとる必要は現在ない」と述べた。
同財務相は中銀に対して利下げを行うように圧力をかけており、政策金利が2.75%の水準にあることが海外からの資金流入の一因であり、バーツ高につながっていると主張している。
26日の会合では、「政策金利が2.75%で据え置かれるのならば、他の措置が必要になり、実施される用意ができていなくてはならないという見方で一致した」とキティラット財務相は語った。
バーツの対ドル相場は年初から一時約7%上昇し16年ぶりの高値をつけており、26日終盤の取引では4.3%高となっている。
資本流入を抑制する措置として、財務省高官は外国人投資家に提供されるインフレ連動債などを削減することを明らかにしている。

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