第3四半期タイGDPは+1.0%、予想上回るが回復なお弱く

巣田[バンコク 16日 ロイター] - タイ国家経済社会開発庁(NESDB)が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は、季節調整済みの前期比1.0%増となり、市場予想を上回った。公的支出の拡大やサービス部門の成長が寄与した。
前年比では2.9%増で、これも市場予想を上回った。ただ、輸出の減少が続いており、見通しは依然として弱く、国内の経済活動を支援する政府の対策が求められる。
ロイターが集計した市場予想は、前年比が2.6%増、前期比は0.7%増だった。
第2・四半期は、前年比が2.8%増のまま変わらずで、前期比は0.4%増から0.3%増に改定された。
2014年5月に軍が政治の実権を握って以降、景気はなかなか回復せず、製造業は輸出減少に苦しみ、家計債務の増加で国内需要は低迷している。
クレディ・スイス(シンガポール)のエコノミスト、サンティタン・サティラタイ氏は「データは予想よりも強かったようだが、重要とみられる潜在的な弱さが幾分ある」と指摘。「内需は依然としてさえず、懸念されるのは民間投資と公共投資の差だ。今後数四半期にこの勢いを維持し、加速させることができるとの確信は持てない」と語った。
キャピタル・エコノミクス(シンガポール)のアジア担当エコノミスト、クリスタル・タン氏は「(政府の)設備投資目標達成状況は悪く、政府の予想ほど成長ペースは押し上げられないだろう」と指摘する。
NESDBは2015年のGDP見通しを8月時点の2.7─3.2%から2.9%に引き上げた。今年の輸出見通しは3.5%減から5%減に修正した。
16年のGDP見通しは3.0─4.0%増、輸出は3.0%増を見込んでいる。
14年のGDPは0.9%増だった。
*内容を追加します。

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