米国株式市場=反落、弱い雇用統計が圧迫

                   (カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
     終値         14565.25(‐40.86)
       前営業日終値       14606.11(+55.76)

ナスダック総合<.IXIC>
     終値         3203.86(‐21.12)
       前営業日終値       3224.98(+ 6.38)

S&P総合500種<.SPX>
     終値         1553.28(‐6.70)
       前営業日終値       1559.98(+6.29)
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 [ニューヨーク 5日 ロイター] 5日の米国株式市場は反落。弱い雇用統計を受け
て、米経済への信頼感が低下したほか、来週から始まる企業決算への警戒感が高まった。
 米雇用統計は、非農業部門雇用者の増加数が前月比8万8000人増と、9カ月ぶりの
低い伸びにとどまり、20万人増を見込んでいた市場予想の半分にも届かなかった。失業
率は7.6%と、前月の7.7%から改善したが、労働参加率の低下が主因だった。
 1日に発表されたISM製造業景気指数も3カ月ぶり低水準となるなど、このところ弱
い経済指標が相次いでいる。
 カルバート・インベストメント・マネジメントのナタリー・トゥルナウ最高投資責任者
(CIO)は「再びさえない決算シーズンになる可能性がある。株式市場はすでに健全な
リターンを提供していることから、やや弱含むかもしれない」と述べた。
 株式市場はこれまで、米連邦準備理事会(FRB)への緩和期待や経済指標の改善を受
けて上昇基調にあり、S&P総合500は年初来8.9%上昇している。
 
 ダウ工業株30種<.DJI>は40.86ドル(0.28%)安の1万4565.25ドル。
 ナスダック総合指数<.IXIC>は21.12ポイント(0.66%)安の3203.86。
 S&P総合500種<.SPX>は6.70ポイント(0.43%)安の1553.28。
 
 週足では、ダウが0.1%安。S&Pが1%、ナスダックが1.9%それぞれ下落した。
 小型株2000銘柄をカバーしたラッセル2000指数<.TOY>は週間で3%下落し、昨
年6月以来の大幅な下落率となった。
 
 個別銘柄では、ネットワーク機器サービスのF5ネットワークスが19%急落。
市場予想を大幅に下回る業績見通しを示したことが嫌気された。
 F5の同業にも売りが波及し、ジュニパー・ネットワークスは3.1%安。シ
トリックス・システムズも1.2%値を下げた。
 
 航空株も売られ、デルタ航空は2.4%安。ユナイテッド・コンチネンタル・
ホールディングスは0.1%安。
 JPモルガン証券は米航空会社の2013─14年売上高予想を2─3%引き下げると
ともに、一部航空会社では、連邦歳出の強制削減などが重しとなり、有効座席マイル当た
りの月次売上高が落ち込むとの見方を示した。
 
 トムソン・ロイターのデータによると、S&P総合500構成銘柄企業の第1・四半期
利益の伸びは前年比1.6%増にとどまると予想されている。1月時点の予想は4.3%
増だった。 
 
 ニューヨーク証券取引所、ナスダック、NYSE MKTの3市場の出来高は、年初来
の1日平均の約63億6000万株に対し、約64億株となった。 
 騰落銘柄比率は、ニューヨーク証券取引所が約14対15。ナスダックは約3対5。

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