F&N取締役が辞任へ、タイ富豪による買収確定後

[シンガポール 29日 ロイター] シンガポールの不動産・飲料大手フレーザー&ニーブ(F&N)をめぐり、タイの富豪チャロエン・シリワタナパクディー氏による買収が来週に確定した後、F&Nの取締役は辞任する見通しだ。
現時点でチャロエン氏はF&Nに取締役を送り込んでいないが、同氏の発言力が高まりそうだ。同氏は昨年7月以来、TCCアセッツとタイ・ビバレッジを通じてF&N株式の46.1%を保有している。
F&NのLee Hsien Yang会長は29日に開かれた株主との会合で、「筆頭株主が明確になった今、そして近いうちに株式の過半を握ることが想定される中、彼らが完全に柔軟な体制を得て、白紙の状態で物事を進めたいと思うことはおかしなことではない」と述べた。
チャロエン氏はF&Nの未保有株に対して、1株当たり9.55シンガポールドルで買収を提案。一方、オーバーシーズ・ユニオン・エンタープライズ(OUE)連合は買収提示額の上乗せを断念し、買収合戦から撤退した。
F&Nの株主は2月4日までにチャロエン氏の提案を受け入れるか、拒絶するか決定する。27日に公表されたF&Nの声明によると、Lee会長を含め、自社株を保有する同社の取締役はチャロエン氏に保有株を売却する方針だ。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab