タイ首相、バーツ高対応で財務相・中銀総裁と協議
ロイター編集
[バンコク 23日 ロイター] タイのインラック首相は23日、バーツ高について財務相と中銀総裁と協議し、企業支援の措置を検討するよう要請したことを明らかにした。
バーツは対ドルで17カ月ぶり高値付近で推移。今のところ輸出に大きな影響はみられないが、選択肢を準備することが望ましいと判断したという。
首相は記者団に「バーツ高が大幅に進むことは考えにくいが、今後のことは誰にもわからない。今のところ危険を示すサインはないが、パニックは望まない」と述べた。
23日のバーツ相場は1ドル=29.78バーツ。年初来では約3%の上昇となり、アジアで最も上昇している通貨となっている。
これに先立ち、キティラット・ナラノン財務相は、バーツ高に対応するよう中銀に要請したと発言。ただ、長期的には政府のインフラ投資でバーツが下落するとの見方を示した。
同相は記者団に対し「バーツ高はエネルギーなど輸入にとって良いが、過度のバーツ高は輸出業と観光業に悪影響が出るため、望まない」と述べた。
また、「(通貨の)安定が重要だ。政府は中銀に対し、目先ボラティリティに対応するよう要請した。われわれは政治的に介入することなく、この問題を中銀に委ねる」と述べた。
中銀のプラサーン総裁は22日、「中銀はバーツの異常なボラティリティに対応する準備ができている」としながらも、バーツが依然としてファンダメンタルズや他のアジア通貨に沿った水準で推移しているとの認識をあらためて示した。
パトラ証券のエコノミスト、タノムスリ・フォンガルンルン氏は「中銀はバーツ高を容認するだろう。ただ、政府や輸出業者からの圧力が強まれば、最終的には行動せざるを得ないかもしれない」と述べた。
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