2012.12.19 07:30
IHIは18日、タイに自動車部品の耐久性を高めるのに使われる熱処理装置の生産拠点を来年6月に立ち上げることを明らかにした。投資額は数億円とみられる。現在は国内2工場から輸出しているが、為替変動リスクの軽減や、迅速な出荷対応を求める現地進出企業のニーズに応えるには現地での生産が欠かせないと判断した。
タイで生産を始めるのは、金属を炉内で焼き入れて強度を高める「熱処理炉」と、自動車部品に付着した油を取り除く「真空洗浄機」と呼ばれる装置。バンコク近郊のチョンブリ県に工場をレンタルして生産設備を導入する。タイの自動車生産拡大に伴って需要が急増しており、現地での供給ニーズが高まっていた。
このため、同社全額出資子会社のIHI機械システム(東京都港区)の岩国事業所(山口県岩国市)と各務原事業所(岐阜県各務原市)の2工場での生産に加え、タイにも生産拠点を設けるのが妥当と判断した。
IHIは2000年に、自動車の燃費向上につながる「ターボチャージャー」(過給機)生産でタイに進出した。現在は、同製品でタイに3工場をもつほか、昨年11月には熱処理装置の修理と補修部品の販売会社を設立。タイで自動車関連事業を拡大している。