UPDATE1: 米国株式市場=反発、「財政の崖」回避に向けた歩み寄りへの期待で

                   (カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
     終値         12588.31(+45.93)
       前営業日終値       12542.38(‐28.57)

ナスダック総合<.IXIC>
     終値         2853.13(+16.19)
       前営業日終値       2836.94(‐ 9.87)

S&P総合500種<.SPX>
     終値         1359.88(+6.55)
       前営業日終値       1353.33(‐2.16)
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 [ニューヨーク 16日 ロイター] 16日の米国株式市場は、減税失効と歳出の自
動削減開始が重なる「財政の崖」の回避に向け、議会民主党と共和党が歩み寄れるとの期
待が出てきたことで、反発して終了した。
 ダウ工業株30種<.DJI>終値は45.93ドル(0.37%)高の1万2588.31
ドル。
 ナスダック総合指数<.IXIC>は16.19ポイント(0.57%)高の2853.13。
 S&P総合500種<.SPX>は6.55ポイント(0.48%)高の1359.88。
 週足では、ダウとナスダックが共にに1.8%安、S&Pが1.5%安となった。週単
位での下落は、ダウが4週連続、ナスダックが6週連続、S&Pが2週連続となる。
 
 この日は株価は一時下落していたものの、「財政の崖」問題をめぐりオバマ大統領との
会談に臨んだ与野党の議会幹部が、財政政策上の立場の相違を埋めるために柔軟に対処す
る姿勢を示したことで、上昇に転じた。
 オバマ大統領との会談後、民主党は歳出削減の必要性を認識したとし、共和党は歳入に
ついて検討することで合意したことを明らかにしている。
 エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ケイト・ワーン氏は、「正しい方向に
向けた小さな一歩が示された」とし、「同問題で議会が早期に決着するとの見通しが示さ
れるほど、株価は上昇する」と述べた。
 「財政の崖」問題が回避されなかった場合、米経済は再びリセッション(景気後退)に
陥ると懸念されるなか、S&P500種指数はこれまでの2週間で約4%下落している。
 
 イスラエル軍によるパレスチナのガザ地区への空爆を受け、イスラム系武装組織ハマス
がこの日もテルアビブを狙ったロケット弾攻撃を行うなど、中東情勢が不安定になってい
ることも、相場の重しとなった。

 競馬などを手がけるペン・ナショナル・ゲーミングは28.2%高。前日に発
表した事業分割計画が好感された。
 一方、パソコン(PC)大手デルは7.3%安。前日に発表した第3・四半期
決算がPCの販売不振などで47%の減益となったことが嫌気された。
 小売大手シアーズ・ホールディングスは18.8%安。前日発表の第3・四半
期決算は、調整後の損失は予想ほど大きくなかったものの、既存店売上高が減少したこと
が嫌気された。

 ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、ナスダックの3市場の出来高は約
75億2000万株と、年初来の1日平均の約65億2000万株を大きく上回った。
 騰落銘柄数は、ニューヨーク証券取引所が2258対784、ナスダック市場が
1446対997だった。
 
 来週は22日がサンクスギビング(感謝祭)の祝日のため休場、23日が半日取引とな
るため、商いは低調になるとみられている。

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