バンコク爆弾テロ 逮捕の男はトルコ系か 多数の偽造旅券保持 

 【シンガポール=吉村英輝】タイの首都バンコクの爆弾テロ事件で警察が容疑者の男1人を逮捕し、全容解明に向けた一歩を踏み出した。タイではこの夏、中国から逃れてきたイスラム教徒のウイグル族が本国に強制送還された問題が波紋を広げており、同じイスラム教徒のトルコ系が軍事政権に反発して事件を起こしたとの見方も出ていた。地元メディアは、逮捕された男はトルコ系だと伝えているが、軍政は「外国人」としか確認しておらず、突破口となるかは不透明だ。

 29日夜に緊急発表を行ったタイ警察の報道官は、逮捕した男が爆弾事件に関係していると明言する一方、現場にリュックサックを置いて立ち去った「黄色いシャツの男」であるかどうかには言及しなかった。

 現地ではこれまで、政権に不満を持つ者や南部のイスラム過激派のほか、中国に強制送還されたウイグル族の報復-といった犯行組織の関与が指摘されてきた。この日捜索した男のアパートからは数十冊の偽造トルコ旅券が見つかり、トルコに関連する何らかの組織が関与したとの見方が再び広がっている。

会員限定記事会員サービス詳細