タイの首都バンコク中心部の繁華街で17日夜に起きた爆弾テロで、警察病院当局者は18日、日本人駐在員の安藤紘太さん(31)が負傷したと明らかにした。爆弾の破片を腹部に受け、腸などを損傷、集中治療室(ICU)で治療を受けており重体だという。バンコクの救急当局者は、中国人とフィリピン人を含む20人が死亡し、負傷者は123人に達したとしている。
東京海上日動火災保険によると、安藤さんは同社のタイ現地法人に出向中で、6月までは出向元のJR東日本に所属していたと明らかにした。日本企業の一部で従業員を自宅待機にするなど、4万人以上が住むバンコクの日本人社会に動揺が広がっている。
現場は、「エラワン」と呼ばれるヒンズー教の神を祭ったほこらや、ショッピングセンター、高級ホテルが並ぶ観光客に人気のエリア。
現地捜査当局は、現場に仕掛けられていた即席爆破装置(IED)と呼ばれる手製爆弾によるテロと指摘。昨年5月のクーデターで実権を握った暫定政権に反対する勢力による犯行との見方を強め、監視カメラの映像を分析するなどして犯人の行方を追っている。