日鉄住金<5401.T>、タイの棒線加工会社2社を統合 親会社合併に合わせ経営効率化
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[東京 2日 ロイター] 新日鉄住金<5401.T>は2日、タイの棒線2次加工子会社2社を来年1月をめどに統合すると発表した。10月1日付の新日鉄住金発足後、初の海外子会社の統合となる。
統合にあたっては、タイに新会社「ニッポン・スチール・アンド・スミキン・スチール・プロセシング」(ラヨーン県)を設立し、旧住友金属工業の子会社と旧新日本製鉄の子会社を1対0.55の比率で統合する。親会社の合併を受け、経営を効率化するほか、生産能力増強により、タイで生産拡大が見込まれる自動車向けの棒線需要に対応する。
統合する子会社は、タイの日系自動車メーカー向けに、棒線の材質や形を整える二次加工を手掛けている。統合会社の年間生産能力は冷間圧造用鋼線8万4000トン、磨棒鋼1万8000トンで、売上高(2012年見込み)は約100億円。新日鉄住金が統合会社の株式58.91%を保有し、系列の棒線加工会社や住友商事<8053.T>など商社が残りを保有する。
統合後も生産設備や人員は維持する。「統合効果は金額的にはそれほど大きくないが、規模の拡大により今後成長が見込まれる棒線需要を的確に捕捉できる」(新日鉄住金の赤松將雄棒線営業部長)とみている。
統合比率の算定に当たっては大手会計事務所プライスウォーターハウス・クーパーズ(PwC)のデューデリジェンス(詳細調査)を受けた。
(ロイターニュース 大林優香)
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