シンガポール当局、タイのTCCアセッツによるF&Nへの買収提示額引き上げの必要性を否定
[シンガポール 24日 ロイター] シンガポールの複合企業フレーザー・アンド・ニーブ(F&N)は24日、タイの富豪チャロエン・シリワタナパクディー氏関連の企業グループ、TCCアセッツによる同社に対する株式公開買い付け(TOB)をめぐり、シンガポールの証券業審議会(SIC)がTCCアセッツは提示額を引き上げる必要がないとの判断を下したと発表した。
TCCは今月、1株当たり8.88シンガポールドルで未保有株式に対するTOBに乗り出した。F&Nの取締役会は買収後、減資を通じて株主に40億シンガポールドル(33億米ドル)を支払うと表明。F&Nの全株主が保有する株式3株につき1株を消却し、消却する株式1株に対して8.50シンガポールドルを支払う計画という。
F&Nは、消却する株式との0.38シンガポールドルの差を埋め合わせるため、TCCが1株当たりの提示額を引き上げる必要があるかの判断をSICに求めていた。
F&Nの24日の声明によると、SICは21日にTCCが提示額を引き上げる必要性はないと判断した。F&Nによると、TCC側はF&Nが追加の減資や配当を通じてさらなる株主還元を実施するのであれば、提示額を引き下げる権利を有すると主張している。
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