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「マイペンラーイ(気にしない、気にしない)」。プラットフォームで食堂兼売店を営むおばちゃんは、動かない列車を背景に、気の抜けた声でのんびりそう言った。あ~あ、マイペンライが出ちゃったよ。運行時刻が変わったのだから、どうしようもない。ほとんど気が遠くなりかけながら、炎天下のなか、もと来た道を引き返した。
ようやくたどり着いたメークローン駅は、駅前の交通量の激しい車道により、市場と駅がきちんと分断されていた。各店舗は、たしかに線路に密着しているが、駅そのものと市場が渾然一体となったマハーチャイ駅だって、カオスぶりじゃ負けるとも劣らない。マハーチャイ駅の駅長のきもちがわかる気がする。
駅には、メークローン線の人気に便乗した商品が溢れていた。メークローン線をデザインしたTシャツや雑貨、列車の写真を飾った食堂、踏み切り脇の一等地には、鉄道ファンの心をつかみそうな、その名も「トレイン・カフェ」なんてティースタンドまである。