江藤詩文の世界鉄道旅

タイ国鉄メークローン線(2)暑い空気をかき分けながら、人も列車もノロノロと

【江藤詩文の世界鉄道旅】タイ国鉄メークローン線(2)暑い空気をかき分けながら、人も列車もノロノロと
【江藤詩文の世界鉄道旅】タイ国鉄メークローン線(2)暑い空気をかき分けながら、人も列車もノロノロと
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 午前7時4分。タイ国鉄マハーチャイ線は、定刻より4分遅れてゆっくりと動き出した。車内はすでに蒸し暑く、息苦しいほどねっとりと重たい空気が詰まっている。

 座席は、ベンチシートとクロスシートを組み合わせたタイプで、3分の1ほど埋まった乗客は、うつろな目をしてぼうっと空中を見つめたり、うつらうつらと居眠りをしている。電車に乗って、こんなに誰もスマホをいじっていない光景を見るのは、久しぶりだ。ここがバンコクとは思えない。

乗客ゼロなのにエアコン効きすぎの一等車

 始発のウォンウェンヤイ駅から、終点のマハーチャイ駅まで、乗車時間は1時間ちょっと。まずは車内を探索しようと、先頭車両に行ってみる。薄暗い車内には、ソファ席が通路を挟んで2席ずつ配置されていた。エアコンが、効き過ぎなくらいガンガンかかり、窓ガラスが曇っている。一等車だ。

 二等車へと追い払いに来た車掌に、追加料金を訪ねてみると10バーツ(約43円)。自慢じゃないが、私にも余裕で支払える金額だ。そこでアップグレードを申し出ると、なんと断られてしまった。出た…。

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