東京電力は21日、タイ発電公社と液化天然ガス(LNG)の共同調達に乗り出すと発表した。調達だけでなく輸送、供給、発電まで一貫して協力し、コスト競争力を高める。新興国ではLNGの需要が高まっており、現地の事業者にとって燃料コストの引き下げは急務。東電は海外強化の一環として、タイと同様の提携モデルを他の国へ広げることも視野に入れる。
東電は同日、タイ発電公社と、共同事業を検討するための覚書きを締結。事業は2020年代に始める。
世界の市場からLNGを共同調達するほか、発電所やLNGの受け入れ基地を協力して建設することも検討する。東電はこの事業を早期に、中部電力と今年4月設立した火力発電事業の共同出資会社「JERA(ジェラ)」へ移管する。
東電が海外の事業者と、LNGの調達から発電まで一貫して提携するのは初めて。原子力発電所の停止で国内事業が厳しくなる中、東電は海外事業の強化を急いでおり、同じくLNG需要が高まる他の国でも、タイと同様の共同事業を呼びかけることも検討する。