爆買いで席巻する中国人観光客のマナーの悪さが目立つ一方、ここ数年、円安やビザの緩和で急増するタイ人観光客の評判はうなぎ上りという。同じアジアの一員ながら、対照的な印象を抱かせるのは、お国柄の違いなのかそれとも…。中国事情に詳しいジャーナリスト、奥窪優木氏がリポートする。
マナー問題や爆買いなど、何かと話題にのぼる中国人観光客。しかしその影で、存在感を増しているのがタイ人観光客だ。
日本政府観光庁(JNTO)の統計によると、昨年、日本を訪れたタイ人の数は、65万7000人に達しており、12年からの3年間でおよそ3倍増に。背景には、13年7月から実施されたタイ人短期滞在者に対するビザ免除や、円安、LCC(格安航空会社)の就航などが挙げられる。
国別の訪日外客数では、タイは5位。しかし、韓国や中国など、日本の隣国以外の国としては、ダントツの1位となっている。
彼らの日本での消費額にも、目を見張るものがある。東京都港区のドラッグストア店員は話す。
「タイからのお客さまの増加にあわせ、当店でもタイ語のポップなどを作成しています。人気は、日本ブランドの化粧品や健康食品、菓子類などで、同じ商品を3箱4箱とまとめ買いされます。購入額も中国からのお客さまと比べても引けを取りません」
さらに意外な場所も、タイ人観光客の増加の恩恵を受けている。関西にある某有名寺院の関係者が明かす。