タイ、最低賃金を4月1日から40%引き上げ

 [バンコク 30日 ロイター] タイ政府は、4月1日から最低賃金を40%引き上げる。中小企業の反対や、インフレ圧力の高まりにつながるとした中央銀行の懸念を押し切って公約を実行する。
 タイ貢献党が主導する連立政府は、最低賃金を全国的に1日300バーツ(9.75ドル)に引き上げることを公約に掲げている。
 ただ、300バーツに引き上げられるのはバンコクと周辺の6県のみで、他の県でも40%の引き上げが行われるものの、最低賃金は300バーツに達しない。例えば、北部の都市チェンマイでは251バーツとなる。
 カシコーン・リサーチ・センターのエコノミスト、Pimonwan Mahujchariyawong氏は「賃金の引き上げは、労働者が生活費の上昇に対応する助けになるが、中小企業の営業コストは大幅に増大する」と指摘した。
 最低賃金の引き上げは当初1月1日から実施される予定だったが、昨年10月に起きた大規模洪水で工業地帯に甚大な被害がもたらされたことを受けて延期されていた。

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