ロイター記者死亡の銃撃者は「特定できない」 タイ刑事裁が判断

[バンコク 30日 ロイター] - タイの刑事裁判所は30日、ロイター通信カメラマンの村本博之さんが2010年4月に首都バンコクで銃撃されて死亡した事件で、銃撃者は特定できないとの判断を下した。
村本さんは、2010年4月にタクシン元首相の支持派と治安部隊の衝突を取材中、銃弾を胸に受けて死亡した。
バンコク南部刑事裁は「銃弾が発射された方向は特定できない」とした。村本さんの遺族らの弁護士は、「目撃者や証拠から死亡状況を特定することは可能と(遺族は)考えている」とし、今回の判断に対して上訴するかどうかを検討するとしている。
タイ法務省特別捜査局(DSI)は、当初治安部隊側が使用していない銃から発砲されたとしていたが、2011年になって治安部隊側による発砲の可能性もあると認めていた。
DSIは今回の判断を検討し、捜査を継続するとしており、十分な証拠があると判断すれば訴追も可能としている。
刑事裁は、2012年に村本さんと同じ日に死亡した2人のタイ民間人についても当時の状況を審理する裁判を開始。2人のタイ人についても銃撃者は特定できないとの判断を示していた。

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