米国株式市場=下落、FOMC声明や予想下回るGDPが圧迫
(内容を追加しました) [ニューヨーク 29日 ロイター] - (カッコ内は前営業日比) ダウ工業株30種(ドル) 終値 18035.53(‐74.61) 前営業日終値 18110.14(+72.17) ナスダック総合 終値 5023.64(‐31.78) 前営業日終値 5055.42(‐4.83) S&P総合500種 終値 2106.85(‐7.91) 前営業日終値 2114.76(+5.84) 29日の米国株式市場は下落。米連邦準備理事会(FRB)が同日発表した連邦公開 市場委員会(FOMC)声明で景気判断を引き下げたことや、朝方発表された第1・四半 期の米国内総生産(GDP)速報値が前期比0.2%増と、市場予想の1.0%増を大き く下回る結果となったことが圧迫要因となった。 ダウ工業株30種 は74.61ドル(0.41%)安の1万8035.53ド ル。 ナスダック総合指数 は31.78ポイント(0.63%)安の5023.6 4。 S&P総合500種 は7.91ポイント(0.37%)安の2106.85。 FRBはFOMC声明で利上げの実施時期について、経済指標次第であり、かつ会合 ごとに判断する姿勢を示し、6月の利上げの可能性を排除しなかった。ただ、声明は米経 済の一部に見られる弱さを指摘、利上げを急がない姿勢をにじませた。このため利上げは 9月以降になるとの見方が強まり、株価は下げ渋った。 フェニックス・フィナンシャル・サービシズの首席市場アナリスト、ウェイン・カウ フマン氏は「FRBが金利の正常化を望んでいることは誰もが認識しているが、明快な事 実として、指標は現時点で行動することを正当化していない」と述べた。 セクター別では、S&P主要10業種のうちエネルギー株、金融株、素材株が上昇し たが、他の7業種は下落した。 個別銘柄では、医療保険のヒューマナ が7.2%安。四半期決算の利益が市 場予想を下回ったことで売られた。同業のユナイテッドヘルス も3.4%下げた 。 短文投稿サイトのツイッター は8.9%安。前日の決算発表で、新しいダイ レクト・レスポンス広告への需要がさえないとして通期の売上高見通しを引き下げたこと が響いた。 カジノ運営のウィン・リゾーツ は16.6%の急落。第1・四半期の利益が 市場予想を下回ったことが嫌気された。 一方、顧客管理ソフトのセールスフォース・ドットコム は11.6%高。買 収の打診に対応するため、ファイナンシャルアドバイザーを起用したとの報道が買い手掛 かりとなった。 BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の合計出来高は約72 億株で、今月これまでの平均の63億株を上回った。 騰落銘柄数はニューヨーク証券取引所が上げ1008で下げ2023(比率は1対2 .01)、ナスダックは上げ867で下げ1853(1対2.14)だった。
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