WRAPUP1: 乗用車8社、11月海外生産は6社が前年同月比で減少 タイ洪水による部品不足が影響

[東京 22日 ロイター] 乗用車メーカー8社が22日まとめた11月の海外生産は、日産自動車<7201.T>と富士重工業<7270.T>を除く6社が前年実績を下回った。トヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、マツダ<7261.T>、三菱自動車<7211.T>はタイ洪水の影響で生じた部品不足が大きく響いた。一方、日産自と富士重は11月として過去最高の台数となった。
 海外生産が前年実績を下回った6社のうち、マツダが前年同月比35.7%減ともっとも大きな落ち込み幅となった。タイ工場の生産が前年に比べて8割以上減少したことが響いた。ホンダは同27.1%減だった。タイ工場が浸水被害でほとんど生産できなかったことに加え、北米やアジア諸国などで生産調整を行ったことなどが影響した。
 マツダはタイで商用車「BT─50」の旧型の生産に影響が残っているほか、ホンダもタイ、マレーシア、フィリピンで生産休止を継続している。
 トヨタの海外生産は同9.1%減となった。タイでの生産が同96.1%減となり、全体に影響した。現在もタイ工場で生産調整を行っているが、年内には通常レベルの生産に回復する見通しだ。
 スズキ<7269.T>の海外生産は同8.1%減だった。インドのマネサール工場で発生した労働争議の影響は10月までに収束したものの、金融引き締めなどによる市場の弱含みなどから生産量を落としている。インドにおける生産は同11%減の9万9000台となった。
 日産自も洪水の影響でタイの生産が減少したが、その他の主要地域で生産が伸びた。海外全体では同17.0%増となった。タイ工場については「12月中旬にフル生産態勢に入った」(広報担当者)という。
 <国内生産は6社が前年上回る>
 国内生産は、ホンダと三菱自以外の6社が前年水準を上回った。富士重は国内外での在庫不足解消に向け、10月から増産態勢に入っている。軽自動車の生産は19カ月ぶりに前年超え、軽自動車以外の「登録車」も85年の統計開始以来、1カ月あたりの生産台数が過去最高となった。
 ダイハツ工業<7262.T>は9月発売の新型軽自動車「ミラ イース」が好調に推移。軽自動車の生産は前年同月比23.8%増となり、1カ月あたりの生産が過去最高となった。
 ホンダの国内生産は、タイ洪水の影響が国内にも波及し、同37.8%減となった。三菱自は同11.9%減となったが、これまでに中東などの販売減少に合わせて生産計画を下方修正しており「計画通りの水準」(広報担当者)という。
 (ロイターニュース 杉山健太郎;編集 内田慎一)

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