インクジェットプリンターの販売台数シェアでは10月、キヤノンが急落し、セイコーエプソンが首位になった
インクジェットプリンターの販売台数シェアでは10月、キヤノンが急落し、セイコーエプソンが首位になった
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レンズ交換型デジタルカメラの販売台数シェアではタイ洪水で工場が被災したニコン、ソニーがシェアを減らしている
レンズ交換型デジタルカメラの販売台数シェアではタイ洪水で工場が被災したニコン、ソニーがシェアを減らしている
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 調査会社のBCNは、タイの洪水がこの年末商戦においてデジタル家電の販売台数に与える影響をまとめた。

 タイでの生産が多いハードディスクについては既に品薄になっており、価格も上昇し始めしている。年末商戦では販売台数ベースで前年比40~55%減になると予測した。

 ハードディスクはデジタル家電の基幹部品の一つで品薄の影響は広範に及ぶが、パソコンについてはメーカー各社の在庫もあり、影響が出るのは12月ごろからとした。また、タブレット端末の市場が拡大することで、若干市場を補うと予測。タブレット端末を含んだパソコン全体としては、前年比10%減程度になるとみている。

 プリンターはキヤノンの工場被災により、大きなダメージを受けると予想。全体で前年比20%減程度になるおそれがあるという。キヤノンはこれまでインクジェット分野でシェア首位を続けてきたが、BCNの調査ではシェアが9月の46.5%から10月には40.2%まで下降。セイコーエプソンが9月の34.6%から10月には43.0%まで上げ、逆転した。キヤノンの製品出荷に影響が出ているとみられる。

 レンズ交換型デジタルカメラはニコン、ソニー両工場の被災で大きな影響が出て、全体としては昨年比で20~30%程度の減少となる見込みという。一眼レフの販売においては、10月24日~30日の週に37.8%だったニコンのシェアが10月31日~11月6日の週に30.8%まで減少。ミラーレス一眼では10月17日~23日に28.6%だったソニーのシェアが、10月24日~30日の週に26.3%、10月31日~11月6日の週に23.3%と、徐々に下降している。ともに出荷に影響が出ているとみられるという。

 このほか、レコーダーについてもハードディスク品薄の影響が徐々に出て、前年比50~60%減になると予測している。ただし、昨年はエコポイント半減の駆け込み需要で液晶テレビの販売が急拡大、それにともなってレコーダーも伸びていたため、反動が出た面も大きいとしている。