タイ、世界遺産条約脱退か カンボジアとの国境問題で
【バンコク=共同】世界遺産のヒンズー教寺院遺跡「プレアビヒア」周辺の国境線をめぐりカンボジアと対立するタイの当局者は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会の対応を不服として、世界遺産条約から脱退する意向を示した。26日付の地元英字紙バンコク・ポストが報じた。
同紙によると、タイ政府は、パリで開催中の世界遺産委員会でカンボジア側が提案するプレアビヒアの管理計画を議題に上げないよう同委員会に求めていたが、受け入れられなかった。
これを受け、タイ政府代表団のスウィット天然資源・環境相は「脱退しか選択肢はない」との考えを示した。
ただタイでは7月3日に総選挙があり、政権が交代すれば国境問題などへの対応が転換する可能性がある。
ユネスコのホームページによると、タイでは文化遺産3件、自然遺産2件の計5件の世界遺産が登録されている。